====== 出願料 ======  出願時に必要な出願料は、「基本料金」、「サーチ料金」、および、「審査料金」の__合計額__です。具体的な金額は毎年のように変わっていますので、その都度規則を確認する必要があります([[http://www.uspto.gov/learning-and-resources/fees-and-payment/uspto-fee-schedule|USPTO fee schedule]])。 \\ \\ [[http://www.craft-ip.com/recruit.html|{{banner3.png}}]] \\ \\  2014年度の出願料は以下のように定められています(37 CFR 1.16(a), (h)-(k), (o), (s))。 ---- [2015年3月1日改訂の金額]\\   ・基本料金   $280.00/出願\\     - 独立クレーム3つを越える分毎に\\            +$420.00/独立クレーム\\     - クレーム20を越える分毎に\\            +$ 80.00/クレーム\\     - 複数従属クレームを含む場合\\            +$780.00/出願\\     - 100枚を超える分毎に\\            +$400.00/50枚\\   ・サーチ料金  $600.00/出願\\   ・審査料金   $720.00/出願 ----  基本料金は、一定のクレーム数までは同料金となっています。日本では請求項の形式が独立か従属かで料金は変わりませんが、米国では独立クレームの数が3項を超えると1項毎に料金が高くなっていきます。また、総クレーム数(独立クレームと従属クレームの総数)が20項を超えると1項毎に料金が高くなっていきます。  複数クレームに従属する従属クレーム(例えば、"3. An apparatus according to claim 1 or 2, ...")を一つでも含む場合、その出願の出願料に加算料金が追加されます。しかも、複数従属クレームはその従属するクレーム数分さらに加算されますので(上の例では2クレーム分)、複数従属クレームにすることのメリットはないといっていいでしょう。むしろ出願料が加算されることを考えると、複数従属クレームを記載するのは避けた方が賢明です。なお、複数従属クレームを他の複数従属クレームに従属させる(上の例で、さらに"4. A device according to claims 1-3, ~"とするクレームを含む)ことはできません(37 CFR 1.75(c))。  なお、2011年法改正に伴い、電子出願システム(EFS-Web)の利用促進のため、電子出願システムを利用しない出願については、加算費用が発生することになりました(37 CFR 1.16(t))。 ===== スモールエンティティ(small entity)およびマイクロエンティティ(micro entity)に対する減額 =====  所定のスモールエンティティ(37 CFR 1.27(a))に該当する場合には、出願料が50%減額されます(37 CFR 1.16(a), (h)-(k), (o))。但し、他の一部手数料については適用がありません(35 U.S.C. 41(c),(d)(2), MPEP §509.02)。また、電子出願システム(EFS-Web)により出願手続がされた場合、基本料金については75%減額されます(37 CFR 1.16(a))。ここにいうスモールエンティティに該当するのは、(1)小規模企業(small business concern)(section 3 of the Small Business Act)、(2)個人発明者(independent inventor)、(3)非営利団体(nonprofit organization)の何れかです(35 U.S.C. 41(h)(1))。発明に関する権利をスモールエンティティ以外に譲渡し、実施権を設定している場合、またはそのような同意がなされている場合には、スモールエンティティとしての適用を受けることはできません(37 CFR 1.27(a))。スモールエンティティの所在地に関する制限はありませんので(MPEP §509.02)、日本人または日本企業であっても適用を受けることができます。  このスモールエンティティとしての適用を受けるためには、原則としてその旨の主張書(written assertion)が必要です(37 CFR 1.27(c)(1))。但し、スモールエンティティに適用される出願料が正確に支払われた場合には、その旨の主張書が提出されたものとして取り扱われます(37 CFR 1.27(c)(3))。  なお、欺く意図をもってスモールエンティティの適用を受けた場合にはフロードに該当し(37 CFR 1.27(h))、権利行使不能になりますので、このスモールエンティティの適用を受ける際にはその可否を慎重に判断すべきです。  また、2011年法改正により、マイクロエンティティに対する減額制度が追加されました。このマイクロエンティティに該当する場合には、出願料が75%減額されます(37 CFR 1.16(a), (h)-(k), (o))。このマイクロエンティティに該当するためには、(1)スモールエンティティに該当し、(2)過去に4件を超える出願を行っていなく、(3)前年の総所得が平均世帯収入の3倍を超えず、(4)出願する権利を他人に譲渡等していないことが条件となります(35 U.S.C. 123(a))。また、所定の米国高等教育機関もこのマイクロエンティティに該当します(35 U.S.C. 123(d))。 ===== 出願料の払戻し(refund) =====  出願料を誤って支払ってしまった場合や必要額を超えて支払ってしまった場合には、払戻し(refund)を請求することができます(35 U.S.C. 42(d), 37 CFR 1.26(a), MPEP §607.02)。この払戻しの請求は、支払いのあった日から2年以内にしなければなりません(37 CFR 1.26(b))。  実体審査が開始される前にキャンセルされたクレームの出願基本料金のクレーム超過分およびサーチ料金は、放棄する旨の宣言書(declaration)を請願(petition)として提出することにより払戻しを受けることができます(37 CFR 1.138(d), MPEP §607.02)。